

ひたすらアメリカ西部の広大な大地を廻る。国立公園、山、砂漠、ショップ。そして、ロードサイドのモーテル、場末のバー。


1800マイル運転で寄り道しながら思ったこと。


ドイツ人が描くロードムーヴィーとアメリカンヒストリー礼賛のザ・ハリウッド、内容も方向性も全く異なるこれらの映画の舞台が、モハヴェ砂漠内の指呼の距離にあるのがこの国の底力なのだと思う。

チャック・イエーガーの音速飛行とルート66のモーテルカフェと同様に、この国はアンビバレントなものに満ち溢れていながら、それが不思議にどちらも力強く共存している。


マッチョなダッジラムピックアップとエグゼクティブが乗るテスラ、スーパージャンクなファストフードの嵐とアリスのシェパニーゼ、メインストリームとしてのバスプロショップとカウンターカルチャーとしてのパタゴニア。

そのすべてがいずれもしっかりアメリカ的であり、この国の偉大なまでの通俗さと、歴史の運命上フロンティアやカウンターを常に探し続けなければならない魅力との両ブレは、ハイウェイを飛ばしモーテルに泊まりつつ旅をしてこそ見えるのものでした。NYやLAだけで語っちゃいけない。

競い合うものがどちらもアメリカ的であるということは、そもそもこの国のすべてがカウンター的なんですね。マクドナルドもマッキントッシュも。

どっちにしても、そうやって思索的になってしまうぐらい、アメリカのドライブは限りなくドヒマでした。1800マイルって日本でどれくらいなんだろう。
hodaka